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2022 4月 / Issue 132

ビスマン本舗殿畑双葉堂様

「ビスマン&ダクマン」パッケージ

2022 April Issue 132|月刊サガシキ


懐かしいのに、新しい。郷愁を誘う「疑似体験」パッケージ。

レトロ、アンティーク、ヴィンテージ、そしてクラシック。いずれも、歴史を経たモノやコトの状態を形容する言葉です。これらは、文学や音楽、絵画などの芸術作品をはじめ、服装におけるスタイルや食品やお酒のグレードにいたるまで、さまざまな分野で用いられます。古くは、清貧とも呼べるモノの少なさと時間がもたらす経年変化が生む「侘寂(わびさび)」という概念。近年では、プロダクトの長期利用に繋がる「持続可能な消費」を示唆する言葉のひとつとして、先進性を尊ぶ「新しさ」とは異なる視点で価値を示してくれます。それは「不完全さ」がもたらす魅力。完全ではないからこそ、あえてかける「ひと手間」は、対象物との「コミュニケーション」を生み、手をかけてゆっくりと過ごした時間は「あたたかな記憶」となって、心に残るのです。いわば、古いからこそ「新しい」という価値の誕生です。

2022 April Issue 132|月刊サガシキ


昨今のレトロブームで求められているのは、コミュニケーション。手間を楽しむ、新たな価値。

ここに反応したのが、若年層。近年の親世代と子世代は、売り買いを通して発展する「消費文化」を基軸とした社会環境に由来する価値観が近く、親世代が経験した年代や事象にも抵抗がなく肯定的です。ここ数年続いている「レトロブーム」は衰えることなく、むしろ確実に定着しつつあり、さまざまな企業が商品開発やサービスのアイデアソースとして注目しています。このまさに好例ともいえる案件が、大分県中津市で菓子製造業を営む、創業133年の老舗「ビスマン本舗殿畑双葉堂」様。ご依頼は看板菓子「ビスマン」と、新たに加わった「ダクマン」のパッケージ開発です。

2022 April Issue 132|月刊サガシキ


蓋を内側に折り返して開封時用の「メッセージ欄」を設け、同時に強度もアップ。

2022 April Issue 132|月刊サガシキ


角度をつけ動かないように固定した仕切り。商品の「顔」をはっきり見せる「ステージ」効果。

2022 April Issue 132|月刊サガシキ


身箱側は「額縁」を設けて輸送時の衝撃に配慮。デリケートなお菓子を守る工夫のひとつ。

2022 April Issue 132|月刊サガシキ


グラフィックのキーワードは、ノスタルジー。新商品とはいえ、クラシカルに。

看板菓子「ビスマン」は、ビスマン本舗殿畑双葉堂の三代目が開発したビスケット生地で自慢の黄身餡を包んだお菓子。そして「ダクマン」は、孫にあたる五代目が祖父への思いを胸に生み出した、ダックワーズ生地に黄身餡とバタークリームを挟んだお菓子です。時を重ね、思想を受け継ぐ「兄弟菓子」であることを踏まえ、パッケージ開発では、双方が「対」の存在であることを伝える工夫が必要でした。ふたつのお菓子を繋ぐキーワードは“ノスタルジー”。半世紀以上の時を超えて繋がる「祖父への思い」をパッケージに反映します。さらに、デリケートなお菓子を守るため、パッケージ形状は堅牢さと組み立てに配慮した「N式」と呼ばれる蓋と身箱の一体型構造に。見た目の印象を左右するグラフィックは、レトロなセピアカラーに仕上げることで、双方のお菓子の関連性を示唆し、連動性を高めました。こうして「懐かしいのに新しい」パッケージが完成。世代を超えて愛されることを願って、ふたつ仲良く販売されています。





2022 April Issue 132|月刊サガシキ

【KEY COLORS column】
Sepia Color / セピア(暗褐色)

茶褐色を中心とする暗褐色の色調全体を示す名称で、アンティーク感やレトロ調のあたたかな雰囲気(経年変化で退色したようす)を表現する場合に用いられます。かつての「記憶」や「思い出」を表すには最適な色彩系統で「あたたかさ」や「懐かしさ」を演出できます。特集のパッケージでは、あえて「新商品」に用いることで、商品誕生の背景となった「大好きな祖父への思い」をそっと偲ばせています。

2022 April Issue 132|月刊サガシキ

【いいパッケージは、何が違う?】
商品パッケージは、商品を購入する顧客はもちろん、商品を販売する「店舗スタッフ」も利用対象者として設計されます。中でも「組み立て」を前提とした紙器パッケージにおいては「正しく組み上がった」ことが確実に伝わることが大切です。特集のパッケージでは、組み立て時に作動する「オートロック機構」で、側壁部分が「カチッ」と固定されたことが「触感」で伝わるよう、配慮されています。

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