2026 8月 / Issue 164
八ちゃん堂様
「むかん」ギフトパッケージ
ダークブラウンの蓋を開けると現れる、仄明るい蜜柑色。外装箱と個包装の色彩や明るさのコントラスト(対比)は商品が“特別なもの”であることを示唆した演出です。見慣れたはずの商品が「とっておきの装い」で劇的に変化します。

あなたのためのとっておき。感謝を伝えるパッケージ。
店頭で、誌面で、Webで、あらゆる場所で溢れかえる商品やサービス。戦後80年を過ぎ、市場の爛熟は頂点を迎えつつあり、わたしたちのまわりでは、毎日何かが売買されています。現在のようにあらゆる場面で店頭が(商品で)埋め尽くされるようになると「選択」の場面が増加し、やがて「これを買うべきなのか?」という疑問が生まれます。これはモノの供給が一定水準を超えたことによって、消費の目的が「物質的な欲求を満たすこと」から「存在意義や価値観を確かめること」へと変化するため。商品に「なぜこれを作ったのか」という思想や意味を求め、購入行動が生き方や姿勢(アイデンティティ)を表明する手段へと昇華するのです。現代社会の生活者は“市場の審査員”ともいえ「どうせ買うなら…」という感情と共に、他よりも上質そうで購入価値がありそうな商品、すなわち「高級品」が注目されるようになります。

商品購入時に起きる「特別なものを手に入れたという体験」が顧客と企業の“蜜月”のはじまり。
多くの場合、高級品には企業や商品ブランドの「思想」が込められます。何故なら、購入者には「価格(機能・利便性)以上の価値=情緒・体験的価値」が不可欠だから。品質はもちろん「特別なものを手に入れた」という購入体験そのものが、特定の企業・ブランド・商品・サービスに対して抱く信頼や愛着の深さ、すなわち『顧客ロイヤリティ』を醸成し、長期的なビジネスの安定に繋がります。世の中に商品が溢れているからこそ「買ってよかった」という満足感が与える影響は大きく、企業やブランドが、自らの理解者(未来の共創者)を獲得すべき意味がここにあるのです。

ギフト専用の個包装。縦書きの品名と淡い蜜柑色で示した、上品な和モダン仕立て。

アイキャッチは商品特徴とリンクする「皮むき」みかんのイラスト(外装箱/個包装共通)

掲載情報を絞り込みミステリアスに仕上げることで、到着(受取)時の“登場感”を演出。

個包装(淡い蜜柑色)を引き立てる「額縁」効果を高めたダークブラウンの外装箱。
今回ご紹介するのは、福岡で冷凍たこ焼・冷凍焼なすなど加工冷凍食品の製造・販売を手がける「八ちゃん堂」様。ご依頼は皮むき冷凍みかん「むかん」ギフトパッケージです。八ちゃん堂様の「むかん」は、10年以上継続販売されるロングセラー。各地の駅や高速道路SAで売られる人気商品です。高い知名度を活かして、よりたくさんの人に楽しんでもらえる「ギフト」化を検討されていました。ギフト商品で欠かせないのは“感謝”の演出。ひとめで喜んでもらえそうな第一印象づくりです。まず外装箱は、素材は中身を保護するダンボール、キーカラーは高級感を高めたダークブラウン、掲載情報を絞り込みミステリアスに仕上げました。そして個包装は、淡めの蜜柑色を軸に和モダン仕立てのレイアウトでまとめています。わたしたちが演出したのは、到着(受取)時の“登場感”と開封時の“嬉しい驚き”。お世話になった人、感謝を伝えたい人、時には自分自身にも。めざしたのは、贈り手の「ありがとう」を伝えるとっておきのパッケージです。

【sagasiki packaging Tips】
特別な出会い
商品パッケージ、特にギフトパッケージにおいては「登場感」が大切。商品との最初の出会いを引き立てる“特別な演出”が求められます。効果的な方法のひとつが「高いコントラスト(対比効果)」を生み出すこと。外装パッケージと商品の明るさや色合いの差を大きく設けることで、外装パッケージが「背景」として機能し、商品が際立ちます。出会いの印象を高めるテクニックです。

【Activity Introduction】
充実のスペック
特集のパッケージは「N式」と呼ばれる糊付け不要なパッケージ形状。底面がフラットで安定しているので、商品の封入作業がスムーズに行えます。そして、折り曲げる箇所が少なく短時間で組み立てられるので、作業オペレーションも効率的。さらに、用紙使用量や派生資材の使用を抑え、結果として環境負荷低減につながり、しかも畳んで仕舞えるため非常にコンパクト。機能性はもちろん、使いやすさにも配慮された大変便利な構造です。
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