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2023 10月 / Issue 147

ムーミン物語様

立体塗り絵ボックスキット


「ずっと先」を知ることができるのは、子供たちだけ。知的好奇心や道徳心、命を敬う情緒や美しさに感動する数々の感性は、持続可能な世界の実現に欠かせない力。ワークショップでの体験は、感性そして人間力育成のきっかけとなります。

2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ


塗る・切る・折る・差す。素材(紙)が育てる、知的好奇心。

今日「SDGs」として掲げられる持続可能な開発目標は、世界を対象とした規模の大きな概念です。民族や宗教で異なるそれぞれの価値観を認め合いながら、人間だけではなく動植物をはじめとする自然全般の保護と育成を含む、言うなれば「現在と将来に生きる生命の幸福」をめざしたもの。範囲は地球規模、対象が全人類とあらゆる自然となる壮大な目標ですが、身近な事象に置き換えて「自分ごと」として考えると、理解と行動がしやすくなります。たとえば、未来を担う世代となる「いま」と「これから」を生きる“すべての子供たちのため”と考えると、目の前に迫る身近で重要な課題で、解決していく意義があることを実感を伴って感じることができるのではないでしょうか。なにより、次の世代の子供たちに「誰もが希望を抱ける未来」と「実現へのアクション」を自分の言葉で語れることは、大きな誇りとなります。

2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ


地球環境は世代を超えて繋ぐもの。幼少期に培われた感性が「共感できる力」の源。

これから幾世代にもわたってバトンを繋いでいくのは、未来のリレー走者となる子供たち。『三つ子の魂百まで』の言葉どおり、幼少期に培われる知的好奇心や道徳心、命を敬う情緒や美しさに感動する数々の感性は「地球を守る力」の源ともいえ、ひとりの人間として、また持続可能性という点において、人格や情緒といった非認知能力「人間力」の重要性が高まっています。この好例ともいえる案件が、今回ご紹介する株式会社ムーミン物語様とのお仕事。ご依頼は、テーマパーク「ムーミンバレーパーク」のワークショップ(2022年実施)向け「立体塗り絵ボックスキット」です。

2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ


塗り絵がしやすいよう1色印刷、そしてアンカー剤を施さない「非コート」の板紙。

2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ


各パーツを「切り取り・折り曲げ・組み立て、差し込む」工程が、ワークショップに最適。

2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ


台座ボックスには十分な体積があり、パーツやお気に入り小物の保管にぴったり。

2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ


わかりやすいイラストでガイドされた、子供でも理解しやすい組立説明書。

ワークショップは「作業場」という名のとおり、参加者が主体的に参加するイベントのこと。五感と発想力を使って楽しみ、実体験と共に「感性」を育む場といえます。この「立体塗り絵ボックスキット」は、ムーミンならではの世界観をジオラマ風に楽しめるペーパークラフトとして開発されました。アンカー剤を施さない「非コートの板紙」に単色で描かれたキャラクターはワークショップでの「塗り絵」を想定したもの。イラストで描かれた組立説明書に準じて「切り取り・折り曲げ・差し込み」という組立工程を経ることで「劇場の舞台」に見立てて、楽しく遊べます。遊んだあとの台座ボックスへのパーツ保管、さらには廃棄のしやすさに至るまで「紙製」ならではの魅力を詰め込んだ「立体塗り絵ボックスキット」は、国内包装技術の雄を競う、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「2023日本パッケージングコンテスト」において【日用品雑貨包装部門賞】を受賞、名実ともに高い評価をいただけました。





2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ

【sagasiki packaging Tips】
触ってみよう!
今回特集で使った紙は「非コート紙」という下地処理をしていない板紙(紙)です。通常、パッケージでは印刷適性を高める下地処理をおこなった「コート紙」と呼ばれる板紙を用います。板紙の表と裏を触ると「ざらり」とした質感と「つるり」とした質感は、この下地処理の違い。この下地処理のおかげで印刷適性が高まり、伝達・宣伝効果の欠かせないパッケージが生み出せます。

2023 October & November Issue 147|月刊サガシキ

【Activity Introduction】
リユースしよう!
蓋と本体からなる「蓋身式」の箱は、開封時「中身が一度に見渡せる」こと、蓋を被せるだけで「再封できる」ことから、道具箱や小物入れとして“リユース”されることの多いパッケージ。絵柄が華やかで楽しさに溢れている程、その傾向は高まります。資源の減量・有効利用といった考え方も「嬉しい・楽しい」が理由になれば、自然におこなえます。特集のパッケージも「遊ぶ・仕舞う」を両立させた、おもちゃ箱をイメージしています。

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