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2022 9月 / Issue 137

異人堂様

「崎陽の月」パッケージシリーズ

2022 September Issue 137|月刊サガシキ


見た目も、機能も最適化。多幸感に溢れたパッケージ。

天空を移動する天体(太陽・月・星)は、古くから「時刻」や「暦」を知る、目印の役割を担っていました。中でも、肉眼で視認が可能で、一定周期で満ち欠けを繰り返す「月」への関心は高く、洋の東西を問わずさまざまな名称で呼ばれています。たとえば、三日月はフランス語で「Croissant」といい、三日月型のパン「クロワッサン」の由来に。また、ネイティブアメリカン(アメリカ先住民族)は、月ごとの満月に「Wolf Moon(1月:狼が遠吠えする頃)」や「Harvest Moon(9月:作物を収穫する頃)」のように季節に応じた名で呼びました。一方日本では、月齢に応じて「新月・繊月・三日月…上弦の月…十三夜・小望月」そして「望月(十五夜)」が満月。その後も「十六夜・立待月・居待月…下弦の月…有明月・三十日月」と名付け、平安時代から続く「観月」の風習と共に、変化を楽しんでいたようです。

2022 September Issue 137|月刊サガシキ


崎陽の月は、食べやすく刻んだ栗と黄身餡入り。味わい深く、風味に溢れたお菓子。

こうした月の位相の中でも「特別」とされたのが、満月。禅(禅宗)の世界では「円」を「始まりと終わりのない、欠けることのないもの」として「悟りや真理、そして“宇宙”を象徴するかたち」と考えています。かつて藤原道長が詠んだ「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」という和歌にあるとおり、欠片のない「円」が満ち足りた多幸感を伝えるフォルムであることを教えてくれます。今回ご紹介するのは、長崎でカステラや菓子の製造販売を手がける異人堂様。ご依頼は、カステラ饅頭「崎陽(きよう)の月」シリーズ。満月をテーマとしたパッケージ開発です。

2022 September Issue 137|月刊サガシキ


アイキャッチは品名由来の「月」そのもの。カステラ饅頭にも、満月にも、見えるように。

2022 September Issue 137|月刊サガシキ


背景は仄かな「月明かり」をイメージした淡い黄色。下方には「崎陽の月」に照らされた長崎の海。

2022 September Issue 137|月刊サガシキ


長崎といえば、南蛮文化。南蛮船が往来していた時代に思いを馳せた帆船アイコンを添えて。

2022 September Issue 137|月刊サガシキ


15個入と10個入は、ギフトに対応。共通箱には「波柄」を描き、海洋都市らしさを演出。

品名の「崎陽」は長崎の異称で、江戸時代の漢学(中国由来の学問)者が中国風に呼んだことに由来します。陽光輝く海辺の岬を連想させる響きと、商品であるカステラ饅頭の「満月のような姿」を組み合わせた印象的な名称そのものをコンセプトに、パッケージ開発がスタート。商品構成は「15個入・10個入・5個入」の紙器と個包装です。15個入と10個入は、贈答用を想定した包装紙と共通箱の組み合わせ。5個入は、買いやすい容量と価格、何より「組み立てやすさ」に配慮し、包装紙を使わない「紙器のみ」で対応します。もちろん、アイキャッチに「満月」を設定。背景には「月明かりと長崎の海」を想起させるイラストを配し、個包装から包装紙に至る、シリーズ全体のキービジュアルとして、商品イメージを統一します。こうして、まもなく開業する「西九州新幹線(長崎~武雄温泉)」とタイミングを揃えるように、長崎らしさに溢れた「崎陽の月」シリーズは、望月の月明かりに照らされて船出を迎えました。





2022 September Issue 137|月刊サガシキ

【KEY COLORS column】
Moonlight Yellow / 月明かりの黄色

パッケージ開発で「キーカラー」を設定する場合、通常は主要素材の色を引き立てる補色(反対色)を選びます。けれど時には「商品コンセプトに寄り添わせる」のも、ひとつのテクニック。特集では「仄かに照らす月明かり」を表現するため、満月(主役)を引き立てる暗青色ではなく「月明かり」をイメージした淡い黄色を使用し「ふんわりと優しい色調」に仕上げることで、商品の世界観を演出しています。

2022 September Issue 137|月刊サガシキ

【いいパッケージは、何が違う?】
商品シリーズを開発する場合、利用シーンに応じて「包装形態を変化」させるのもテクニックのひとつ。特集のパッケージでは、限られた収納スペースを活かす「畳める」紙器を基本構造に、入り数の少ない「ちょっと買い」を誘う商品は「すぐに組み立てられる」紙器のまま販売し、入り数の多い商品では「専用包装紙」を掛けることで、通常販売から贈答シーンまで幅広くカバーするよう配慮されています。

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