2022 10月 / Issue 138
サガシキ
ハコレター
届けば、ワクワク。パッケージみたいな「ハコ」レター。
生活者の関心を引き、伝えたい情報を告知する「広告」という伝達手法。今、あらゆるメディアで、広告を目にしない日はありません。紀元前から始まったとされる広告史の中で、一度で多くの人に情報を伝える「革命」ともいえる出来事が、テレビの登場でした。国内テレビ放送のはじまりは1953年2月。同年8月、民放局の放送開始にあわせて「CM」もはじまり、日本は高度経済成長期を迎え、新聞・雑誌・街頭ポスターといった従来型の紙媒体広告と合わせて、マスメディアにおける広告戦略が一気に加速していきます。商品やサービスの購入を促す即効性の高い広告から、ブランドの世界観を語る映画のような広告に至るまで、まさに百花繚乱。ところが、インターネット(World Wide Web)の登場で状況は一変します。もはや、生活者は従来メディアに頼らずとも、好みの情報が「いつでも」得られるようになったのです。
直接「実物が届く」ことは、確実な「顧客接点」を生み出す。オフライン(リアル)が注目される理由。
マスメディアの時代と呼ばれた20世紀、多くの人が「同じメディアに触れる」ことで成立していた広告は、21世紀のはじまりと共に新たなメディアであるインターネットに進出。インターネットでの広告は、ホームページやブログ、メールやSNSを介することで、誰でも手軽に出稿できる分、届いた広告は簡単に無視(破棄)され、多くの広告を出しても、広告に触れない(見ない)状況が生まれたのです。そんな中、再び注目されているのが、顧客に直接届ける「ダイレクトメール」によるコンタクト。ご紹介する「ハコレター」は、顧客との接点を高めることを狙ったツールです。
まるで「封筒」のようなパッケージ。スリム&コンパクトで、配送・収納しやすい。
使うのは、パッケージ製造用の板紙(厚紙)。封筒と中身を「一度に印刷できる」スグレモノ。
コンテンツ量も多数。冊子部の表裏面、封筒部の表側両面、そして封筒部の内側にも印刷可能。
封筒の一部を「パキッ」と折って開ける「触感」効果で、顧客との出会い(開封時)を演出。
ハコレターは、紙器製造技術を用いたダイレクトメール。すなわち「モノ」として届き、顧客との「接点」が必ず発生します。この機会を活かすべく、開封方法に工夫を凝らし、封筒の一部を「パキッ」と折る、独特の方法を開発。開封時のワクワク感は、まるでハコ(パッケージ)です。さらに、デジタル印刷機を利用した「バリアブル印刷(データベースに基づいて情報を『個別に』変更する印刷方式)」で、デザインに「宛名」を同時印刷。ダイレクトメールで起こりやすい、入れ間違いや誤送を防止できます。そして、封筒部を密閉することで、開封されたかどうかが一目瞭然。中身の情報漏洩を検知できる構造も付加機能のひとつです。長年のパッケージ製造技術によって誕生したハコレターは、国内包装技術の雄を競う、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「2022日本パッケージングコンテスト」において【輸送包装部門賞】を受賞、名実ともに高い評価をいただけました。
【sagasiki packaging Tips】
デジタル印刷機
季節や期間、数量を限定した「多品種少量化」のニーズは増え続けています。サガシキは、新たな価値創造と市場創出のため、デジタル印刷機「Indigo12000」を導入しています。良質な印刷品質を担保する「網点対応」2回通し不要の「両面印刷対応」厚みのある「板紙対応」用紙サイズ「B2対応」など、機能満載。実は「オフセット印刷のノウハウ」を持つ、サガシキだからできる印刷方式です。
【Service Introduction】
バリアブル印刷
デジタル印刷は、オフセット印刷のようにインク色ごとに分かれた「版」を必要としません。この特性を活かした「バリアブル印刷」は可変印刷とも呼ばれ、プラットフォームを固定し、特定のデータベースに基づいて、文字や画像を個別に変化させる印刷方式のこと。1枚ずつ宛名が異なるダイレクトメールや顧客特性に合わせて内容を変える販促物には最適で、多品種少量化のニーズが生んだ印刷技術です。
※「ハコレター」の形状は、特許取得済みです。
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