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2021 4月 / Issue 120

なかはら農園様

苺パッケージ


見栄えは大切、機能は当然。誠実な「愛らしさ」のかたち。

あらかじめ「知っている」商品なのか、もしくは店頭で「見つけた」商品なのか、商品選びの基準は「記憶」と「発見」です。関連する言葉の「検索」で対象を絞り込む「インターネット販売」はもちろん、実店舗においても、すでに「知っている」ものを選ぶようにすれば、買い物の「時短」につながります。できるだけ手短かに買い物を終わらせたい外出自粛期間において「定番品」が堅調に推移したことは「以前から知られていること=ブランドとして認知されていること」の証明であるともいえ、広告宣伝の分野では、これを意図的におこなってきました。新商品の販売促進戦略において、限られた広告予算を一定期間集中的に投下する「短期集中型」の手法がとられるのは、記憶への「強い刷り込み」を狙っているためで「覚えてもらう」ことのアドバンテージが計り知れないからに他なりません。


出荷を待つ、摘みたての苺たち。この輝くような「愛らしさ」をパッケージにも。

一方、商品の「発見」によって誘引する方法の定石は「見た目」のインパクト。これは新商品に有効な方法で、愛らしさや意外性、今っぽい空気感等、計算されたビジュアルで生活者の気分を盛り上げます。この手法で有効なツールが、Web上で発信者と受信者側で双方向のやりとりが可能なSNS(Social Networking Service)。中でもビジュアルをクリップするツールは最適といえます。こうした販売戦略に注目されていたのが、佐賀県小城市の「なかはら農園」様。ECサイトを用いて個人への直接販売に「Instagram」を活用されていました。


紗綾形は「絶えることなく長く続く」という、繁栄や長寿を願った伝統文様。


苺のイラストは、取扱品種の「いちごさん」と「白いちご」をイメージしたもの。


パッケージの組み立てオペレーションに配慮した、派生パーツのない一体型構造。


出荷時の積載作業を想定して設けられた手穴は、パッケージを掴みやすい工夫。

ご依頼は「苺」のパッケージ、キーワードは「インスタ映え」です。通常、農産物は生産地域の卸売市場等で「競り」によって大量に取引されるため、パッケージも保護や輸送に特化した機能性が優先されることが多く、小売店で求められる包装要件とは異なる視点で開発されます。本件では、ECサイトを用いた直接販売が前提となるため、市販される商品と同じように「見栄え」が求められます。さらに、農産物は「地域に根ざした品」であることから、その「ゆかり」もキーワード。ヒントになったのは「紗綾形」と呼ばれる日本の伝統文様。地域の工芸品「佐賀錦」でも用いられるおめでたい吉祥柄で「ゆかり」と「見栄え」を両立させることができます。ここに苺らしいキーカラーと苺のイラスト、なかはら農園様の「Instagram」に誘導するQRコードを加え、空気穴や手穴等、青果包装ならではの構造もキープしました。わたしたちは「基本機能を担保した上で愛らしくあること」が、優れたパッケージの条件だと考えています。





【KEY COLORS column】
苺色:Strawberry Red

紫味を帯びた鮮やかな赤系のピンクで、熟した苺を想起させる色です。今では一般的な色名ですが、日本の伝統色には「苺色」という色名はありませんでした。苺は、江戸時代末期頃に「オランダ苺」として輸入され、当時は観賞用。やがて食用の苺が栽培され、苺の普及とともに色名も広まりました。現代のファッションやコスメで欠かせない「お洒落感のある色彩」として広く認知されています。

【いいパッケージは、何が違う?】
野菜や果物、農産物のダンボール箱で時折見かける側面の開口部。これはいわゆる「空気穴」で、外部の空気を取り入れたり、内部の湿気を(中身によっては、追熟時に発生するエチレンガスも)逃がしたりしながら、農産物の鮮度を保っています。特集のパッケージでは「冷蔵保存」を前提とした輸送を想定し、開口部を冷気の取り入れ口として、温度変化による劣化を抑える役割を担っています。

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