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2019 8月 / Issue 100

富久千代酒造 様

「Essence of Nippon」パッケージ


開発テーマは、ミステリアス。漆黒の「マルチレイヤー」パッケージ。

今世紀に入って、あらゆる市場の成熟傾向が顕在化してきました。頭打ちとなった市場では、類似した商品の数が多ければ多いほど、シェアをめぐる攻防が激化します。ある商品が一定のシェアを獲得していくためには、絶対的な価値である「価格」はいうにおよばず、たくさんの生活者が「ファン」となっているか、また他の商品では代えられない「オリジナリティ」を感じているか、単なるモノとしてではない、商品への「共感」が生まれているかが、欠かせない要素となります。この「共感」という感情こそ、商品を「指名買い」へと誘うきっかけであり、生活者が商品に「ブランド」を感じている証。あらゆるメディアで「ブランディング」の重要性が叫ばれるのはこのためで、供給量が増大し続ける現代において、商品の存在を際立たせ、生活者から確実に「選んでもらう」ための手法であるともいえます。


見つめるのは、商品の、企業の、ブランドの、本質。選ばれるだけの「理由」となる思想の有無。

しかし「見える部分だけを整える」行為は、ブランディングの一手段でしかありません。大切なのは、商品そしてブランドが「何を」目指しているのかを伝えること。すなわち、存在理由ともいえる「思想」の共有です。そのためにはブランドを「象徴」する商品を投下する手法が有効で、複数の艦船を束ねる「旗艦」になぞらえ「フラッグシップ」戦略と呼ばれます。この実例こそ、かつてブランディングをおこなった佐賀県鹿島市の酒造メーカー、富久千代酒造様の主力ブランド「鍋島」シリーズの新商品。求められたのは「ブランドを象徴する」パッケージングです。


このお酒に込めた「米への想い」を伝える、ダークメタリック仕上げのメッセージカード。


円形の窓から覗く、シャンパンゴールド箔のブランドコンセプト「Essence of Nippon」。


イメージは日本刀。「鞘=スリーブ」と「刀身=身箱」からなる「一振」のパッケージ。


専用手提げ袋。内側には「発展」を願って、成長を意味する「麻の葉柄」の吉祥文様。

このお酒は、酒米・精米歩合等、そのすべてが「非公開」のシークレット酒。食事に寄り添うこと、をテーマに開発された最上級のお酒、従来の日本酒の枠に収まらない特別なお酒です。商品特性から導き出したパッケージ開発のテーマは「ミステリアス」。先入観なくお酒と向き合い、富久千代酒造様の「お米への想い」を包み込むための、漆黒のパッケージ。グロッシーな輝きを持たせたランプブラックと艶消しのマットブラックを対比させたパッケージ。ラベルはメタリックな輝きを持たせた特殊紙と艶消しのマットブラック箔。黒を引き立てるミッドナイトブルーのサテン地とマットブラックのビン。黒の掛け紙と組紐。そして黒い手提げ袋。ミステリアスで深みのある黒を表現するため、階調の異なる黒を組み合わせた「マルチレイヤー(多層)」パッケージです。鍋島シリーズのブランドコンセプトをそのまま背負った「Essence of Nippon」という品名も輝かしく、唯一無二のフラッグシップ「鍋島ブラック」は誕生しました。





【KEY COLORS column】
漆黒:Lamp black (ランプブラック)

黒漆を塗った漆器のように深く艶のある黒で、純粋な黒を指し「純白」の対義語です。黒系統の色彩の中でも最暗色とされ、暗く濃密な「漆黒の闇」、黒々として艶のある「漆黒の髪」という表現にみられるように、深さと情感を感じさせる名称が、イマジネーションを掻き立てます。特集のパッケージのように、ミステリアスな雰囲気を演出する際には最適の色彩です。

【いいパッケージは、何が違う?】
ブランドの「象徴」となる商品は「フラッグシップ=旗艦」と呼ばれ、他商品を牽引する存在として位置づけられます。フラッグシップ商品には、細やかな演出が欠かせません。たとえば、紙。特集のパッケージでは、使用用紙の「断面の色」まで含めてコーディネートしています。繊細とも呼べる配慮こそ「God is in the details.=神は細部に宿る」といわれる所以です。

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