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2022 1月 / Issue 129

村岡屋様

「50周年プレミアムさが錦」パッケージ


50年の感謝を込めて。それは「特別」を伝えるパッケージ。

コロナ禍で注目された「おうち時間」をきっかけに、ちょっとした贅沢を味わえる「おうちスイーツ」が人気です。自宅で食べるスイーツの良さは、贅沢感や特別感を味わう「時間」そのもの。外出を控えざるを得ない中での「イベント」として「特別なスイーツと共に過ごす時間」が置き換わり定着しつつある状況は、デフレ傾向に端を発する「価格」重視の傾向から、多少高額でも充足を与えてくれる「価値」を重視する嗜好に切り替わったともいえます。こうした傾向が如実に反映されたのが「街のお菓子屋さん」である菓子専門店。たとえば、チョコレートの扱いが得意な店、ケーキ生地自体の美味しさをこだわりにする店、といった「店舗ごとの個性」がセールスポイントとして客足の伸びに繋がり、その店ならではの特徴となる「得意なもの」が明確である程、ブランドとしての存在感も増しています。


選りすぐりの素材と熟練の技術。50周年プレミアムさが錦は「大納言小豆」と「嬉野抹茶」で発売。

特に、長年愛され続けた「ロングセラー商品」を持つことの優位性は計り知れず、地域の顧客ニーズに合致していることはもちろん、対象品の集客効果を利用して、その他のおすすめ商品を案内したり、対象品のシリーズ品を開発するといった、一定の効果が予測できる販促戦略や商品開発に繋げることもできます。まさしく「羨望の対象」といえる商品で、誰もが羨むことも頷けます。今回ご紹介するのは、創業の地、佐賀を中心に和・洋菓子の製造販売をおこなっている、村岡屋様。ご相談いただいたのは、誕生から半世紀を迎えた「50周年プレミアムさが錦」のパッケージ開発です。


銘菓「さが錦」の名の由来となった絹織物「佐賀錦」で用いられる伝統模様「網代(あじろ)」柄。


大切な菓子を両側から重ね合わせるように包んでいく、着物や風呂敷を想起させる開口部。


大納言小豆・嬉野抹茶をイメージしたキーカラーと、双方を引き立てる「生成色」の特殊紙。


生誕50年を祝う「さが錦」そのもの(お菓子の形)を図案化した専用の「紋章」を添えて。

プレミアム商品、中でも「ロングセラー」となった商品の場合、オリジナル商品との差別化が欠かせません。そして、意外と見落としがちなのが、同一シリーズとしての連動性。プレミアム商品が誕生した背景には、これまで数々の荒波を乗り越えてきたオリジナル商品の存在があればこそ。このパッケージ開発にあたっては、隣にオリジナル商品が並んでも双方が呼応し、かつ新開発のプレミアム商品が燦然と輝くことを目指しました。具体的には「さが錦」の名の由来である「佐賀錦」で多用される柄で出自を明らかにし、装飾を抑え余白を贅沢に使うことで格調高く、特に優れた品であることを示す「特撰」の冠を掲げ、しみじみとした情景が感じられる趣(おもむき)と風情を醸し出す「よそおい」として、パッケージを纏わせました。こうして、ロングセラー商品のプレミアム版に相応しい「日本ならではのエレガンス」を表現した「50周年プレミアムさが錦」が完成。これまでの感謝と新たな歴史を刻む、門出を迎えたのです。





【KEY COLORS column】
生成色 / Natural White

漂白や染色をしていない布地や糸を指した色で、無垢な「素材そのもの」の色味のような「概念的な色彩」を表す名称でもあります。こうした未晒し(みざらし)の色彩は、高品質な天然素材の布地や衣服をはじめ、素材の良さや味わい深い「風合い」を伝える際に用いられます。特集では、厳選された素材である大納言小豆の紫、嬉野抹茶の緑を引き立たせる「屋台骨」としての役割を担っています。

【いいパッケージは、何が違う?】
品物を包む、風呂敷。人を包む、着物。日本の「包む」文化は、暮らしの中で培われた「機能性」と見た目の美しさである「審美性」を両立させた「機能美」の結晶です。商品パッケージ開発、中でも贈答用や高品質な品が対象となる場合、こうした「日本の美」をアイデアソースに用いることがあります。特集では、パッケージを風呂敷や着物に見立て、ここに「組み立てやすさ」を両立させています。

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