ダミーダミーダミー

2021 6月 / Issue 122

クンチョウ酒造 様

「瑞華」パッケージ


格調高く、お求めやすく。思わず手に取るパッケージ。

対象の価値をお金で表した「価格」設定は、商品やサービスを展開しようとすれば、必ず発生する検討課題です。一般的に、価格設定の下限は「開発・製造コスト」で、上限は「顧客が感じた価値の最大値」であるといえます。しかし、類似品の少ない新商品や市場価格の相場観が決まっていない商品ほど、最終的な購入判断は顧客側の「支払意志」に委ねられるため、プライシング(価格設定)戦略上、状況次第で変化する顧客側の許容範囲をあらかじめ想定しておくことが欠かせなくなります。具体的には、顧客側の予算ともいうべき「値ごろ感(たとえば、3,000円以下なら安く感じ、それ以上なら高く感じるような感覚)」のゾーンにあらかじめ設定した商品価格が同調している必要があり、顧客の感覚として「商品価格以上の価値」を感じたかどうかで購入判断がおこなわれます。


商品を知る「きっかけ」さえあれば、ポテンシャルは十分。逸品にこそ必要な「知ってもらう」工夫。

この「値ごろ感」の壁を超えなければ購入されることはないため、対象となる商品の特性はもちろん、購入される場所、時代の気分といった、掴み所のない感覚を把握し、その上「商品価値が価格を上回る」よう、顧客に伝えることが求められます。店頭やWebで「商品以上に価値を語る」パッケージが、ますます重視される理由がここにあります。これを実践されたのが、江戸幕府直轄の城下町として栄えた「天領」豆田町(大分県日田市)で造り酒屋を営む「クンチョウ酒造」様。ご依頼は極上酒を「手の届く価格」で販売するためのパッケージです。


ラベルには、高貴・高潔・高尚の花言葉をもつ「菊の花」を添えて。


箱の幅を広げることで、正面から視認できる面積を広げる「六角柱」パッケージ。


品質の高さを無言で語る、マットニス+箔押し。しっとりとした手触りと輝く商品名。


大吟醸と純米大吟醸、お酒のイメージを昇華させた「ブラック&ホワイト」仕上げ。

日本酒には日常的に飲むことを前提としたお酒と特別なシーンを想定して誕生した「逸品」があります。前者の場合は販売場所も多くプライスも抑えめで購入への抵抗感が小さく、後者の場合はその希少性もあってプライスが高めになりがち。有効なのは「少量サイズ&手に取りやすい価格」で提供することで心理的な障壁を下げ、購買層を増やすテクニック。本件では、日本酒の最高グレードとなる「大吟醸・純米大吟醸」を、飲みきりサイズ(300ml)で提供し、ラベルと外箱を専用パッケージとして仕上げることに。先行販売された大吟醸パッケージ(ブラック仕上げ)に寄り添いながら、異なる個性を放つパッケージ(ホワイト仕上げ)にすることで、双方を「一対」のシリーズとして購入誘導を図り、二種のお酒を繋ぐ「揃いのキービジュアル」として高貴な姿と気高い香りで厄を払うとされる菊の花を設け「格調高さ」と「お求めやすさ」を両立した「逸品」にふさわしいパッケージが誕生しました。





【KEY COLORS column】
ゴールド:Gold

貴金属の金は、希少性の高さはもちろん、精錬の必要がなく美しい光沢を持ち、また錆びないことから「永遠・不滅」を表すシンボルであり、洋の東西を問わず、あらゆる文化圏で重視され続けた色彩といえます。歴史上、最も価値ある金属とされたことから、金のイメージは「栄光」と「永久」そのもので、特集の商品では、箔押し加工の光沢を貴金属である「金」の輝きになぞらえています。

【いいパッケージは、何が違う?】
特集のパッケージは、あらかじめ印刷を施した紙と片面のみのダンボール(通称:片段)を貼り合わせた「美粧(びしょう)」ダンボール。印刷再現性の高い紙によるデザイン表現の幅と緩衝性の高いダンボールの良いところを組み合わせ、その名の通り「美しく化粧=美粧」したように仕上げます。ここに箔押しやニス引きなどの表面加工が加わり、中身を「守りながら伝える」力を増幅させるのです。

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