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2018 1月 / Issue 81

山内本店 様

「薫醸」商品ブランディング


伝えたいのは「ブランド」。老舗の魅力を視覚化したパッケージ。

日本には「名産」と呼ばれる食べ物「銘品」と呼ばれる品々が各地にあります。けれど、その由来、希少性、香りや味覚、といった特長を十分に伝えられないまま、販売されてしまうケースも多く、販売する側からは「良い商品なのに」という声はあるのに、消費者まで届かないことも。情報が集積しているはずのインターネットにおいても、こうした傾向は変わりません。そこで、注目されているのが「ある道に秀でた方」が選定した品々を紹介する「キュレーション型ECサイト」。フィルタリング機能を果たす存在が「判断基準」となり、購入を促すのです。九州熊本で創業250年を超える老舗、醤油・味噌造りを生業とされる山内本店様も「キュレーション型ECサイト」を利用した商品開発を計画されていました。 『ギフトですから、必要なのは「高級感」です。そして、ECサイトですから、他との違いが「食べなくても伝わる」ことです。』ご依頼はシンプル。しかし、実現するためには、歴史・姿勢・想いを把握し「山内本店ブランド」を理解する必要があり、幾度もディスカッションを重ねました。

まず検討したのは、躯体となる「パッケージング構造」。贈答品にみられる「桐箱」は、どのECサイトでも「あたり前に」使用されており、印象的ではありません。そこで、わたしたちは日本ならではの「折る」文化を体現した紙箱、「紙器(しき)」をご提案の中心に置くことに。そして、デザインは、メリハリの効いたブラック&ホワイトをベースとして、木目のような模様を再現。さらに、歴史を感じさせる山内本店様の屋号(マーク)をキービジュアルに、アルファベットの商品名をアクセントにすることで、軽やかな現代性と歴史的な重みを融合。桐箱では決して表現できないデザインに仕立てました。専用の手提げ袋も、同じ世界観でデザイン。


【ご提案形状】左から「Aキャラメル引き出し式」「B蓋身一体ガルウィング式」「C蓋身一体ロック式」。選ばれたのは「B」案。


【商品ネーミング】
音感と視覚で、商品の印象を左右する商品名は「商品に直接ふれられない」ECサイトやカタログにおいて重要な購入判断要素。
本品が薫り高い味噌であることから「薫る」の文字と、味噌の発酵過程である発酵から「醸す」の文字を合わせて「薫醸(くんじょう)」という、商品とリンクするネーミングに。


①身箱の受け手側に設けた小さな段差は、蓋部分が沈みこみすぎない工夫。②廃棄の際、分解しやすくするための工夫「指穴」。堅牢な構造でも、簡易な作業で分解可能に。③身箱の両側で、中仕切りを固定し、躯体全体で重量を支える。

ついに、他ではみられない「ギフト感」と「商品ブランディング」により「薫醸」パッケージが完成。山内本店様はもちろん、ECサイト運営スタッフの皆様からも、高い評価をいただけました。新年度を迎えた、2017年4月。とうとう販売が開始され、上々の滑り出しをみせています。ギフトシーズンには、さらなる効果が期待できるはず、と関係者の皆様は、期待を込めて見守っています。
カタログ通販・ECサイトの発達で、全国の銘品が取り寄せられる今「パッケージで魅せる」商品づくりはますます重要に。商品力のある品々こそ、こうした「商品ブランディング」は有効にはたらきます。わたしたちサガシキは「売る」ための仕掛けは、魅せ方、パッケージングにある、と確信しています。






【KEY COLORS column】
紅緋(べにひ)

紅緋とは、冴えた黄色を含んだ赤のことで、古くは女官の緋袴(ひのはかま)の色。英名では「スカーレット」。鮮やかで明るい赤系の色は、たとえ僅かな面積でも、印象を一転させます。たとえば、ブラック&ホワイトのパッケージに「紅緋」色の落款(らっかん)を加えると、日本画と同じように、品質を示した「サイン」の意味に。高級感はもちろん、ブランドとしての矜持(きょうじ)を示した「約束」の印なのです。

【いいパッケージは、何が違う?】
情報量を極限まで少なくし「商品ブランド名」とわずかな情報だけを表示する…。近年「ハイブランド」のパッケージにみられるデザイン手法です。高級感を演出するには、ミステリアスな印象を高めることも、テクニックのひとつ。ブランドの威信をかけたコーポレートマークやブランドロゴは品質保証の証として、パッケージを「格上げ」します。特集したパッケージでは、こうしたテクニックを応用しているのです。

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