2019 6月 / Issue 98
佐賀県立宇宙科学館様
ミュージアムショップグッズ
知りたくなる、プロモーション。この場所は「商品」そのもの。
商品やサービスの流通量が増えると、類似商品の増加によって商品間格差が消失し「同質化」によって優位性までもが低下する「コモディティ化」が発生します。その多くは生活必需品、いわゆる「消費財」の販売現場で起こっていますが、市場が発展し、供給量がピークに達した飽和状態が近づくと、商業施設やホテル等の「装置産業」においても同様の現象がみられるようになります。市場に刺激を与える「商品リニューアル」が比較的容易な「プロダクト」ベースの商品とは異なり、設備の入れ替えに高額の資本が必要で、その頻度を上げるのは困難です。このため、いかにコモディティ化を発生させないようにするか「永続的な収益性」を確保するかが、装置産業における重要なファクターとなり、提供するサービス(コンテンツ)を充実させる「ブランド戦略」や「プロモーション戦略」が欠かせない施策となるのです。
継続的な集客のためには、メインコンテンツだけではなく「話題の」コンテンツも充実させること。
佐賀県武雄市で「佐賀の自然」から「宇宙」にいたるまで、幅広く展示されている「佐賀県立宇宙科学館」様は、装置産業の特徴を踏まえ、複数のコンテンツ(宇宙・地球・佐賀)を掲げるとともに、数々のワークショップや特別企画展を充実させ、来館者とのコミュニケーション確度を高めておられます。こうしたプロモーション活動のひとつとしてご提案したのが、同館に併設される「ミュージアムショップ」での販売アイテムです。博物館等におけるミュージアムショップと扱われるグッズは、来館目的となるほどの人気コンテンツ。他では買えない品々が人々を惹きつけています。
季節ごとの販促に最適な、春夏秋冬の星座早見表と施設のキャラクター。
誰もが一度は目にしたことのある「元素記号」をカラーマグネットに。
こちらは「月齢カレンダー」。汎用性が高く需要の見込める「A4」サイズで。
思わず「集めたくなる」よう、シリーズごとに分けられた缶は、全部で9種類。
今回開発したのは、季節の星座を表した「四季の星座早見表」と月の満ち欠けを表した「月齢カレンダー」のクリアファイル。ミュージアムショップの人気グッズに必ずランクインするクリアファイルに、佐賀県立宇宙科学館様ならではの「宇宙」をテーマにしたデザインは、季節ごとの販促「シーズナル・プロモーション」として最適です。そしてもうひとつの開発品が「元素記号マグネット」。118種類の元素記号をすべて「カラーマグネット」にして、それぞれを「カプセル自動販売機(通称:ガチャガチャ)」で販売、セット品の場合は、缶(9種類)に入れて販売。いずれも「集めたくなる」ものばかりです。装置産業のミッションは、来訪者を呼び込み「続ける」こと。つまり「来訪頻度=リピート回数」を高めることです。施設内のコンテンツが充実し、販売されるグッズにも「らしさ」と「希少性」そして「収集の楽しさ」があり「また訪れたくなる」ように。今、あらゆる生活者が求めているのは、振り向く価値のある「理由」です。
【KEY COLORS column】
Jaune de Chrome(ジョーヌ・ド・クローム/黄色)
「光」は表すのが難しい色彩です。たとえば、月。太陽光が照らす角度次第で「白・黄・橙」と、さまざまに変化します。夜空の黒をベースとして、白色の月は清潔さと高貴さを、黄色の月はあたたかさと親しみを、橙色の月は神秘的でミステリアスな雰囲気を感じさせます。どんな「ムード」の光にしたいのか「色彩の印象」を使い分けることで「与える印象」も変化します。
【いいパッケージは、何が違う?】
守り、運び、伝えることは、パッケージの基本的な役割。中でも「伝える」行為の重要性は高まるばかりです。特集のような展示施設では、リピート集客のための「魅力を伝える」施策が欠かせません。この場合、施設本体が「商品」であり、施設内で販売される品々は「販促ツール」。さまざまな特徴を「魅力」として切り出し、商品である施設の集客力を高めていきます。
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