2020 March Issue 107


近年の「食」トレンドを考える上で欠かせないキーワードは「健康」です。2019年の消費者動向調査によれば、現在の食の志向において「健康志向」と「経済性志向」そして「簡便化志向」は上昇傾向で、特に「健康志向」の値は、過去最高となりました。健康志向とは「栄養バランスの良い食生活や適度な運動」をおこなうこと。まさしく、健康ブームを反映したかたちとなっています。実は、ここでのポイントは、他のふたつの志向性。健康志向に次いだ「経済性志向」と「簡便化志向」の上昇は「合理性」と「快適性」つまり、Easy&Comfort(イージー&コンフォート)なスタイルが求められている証です。こうした傾向は、デパ地下惣菜、通販や宅配サービスが牽引する「中食」ブームとも連動し、健康保持を目的としながらも、日常生活に「簡易に」取り入れやすい、サプリメントタイプの健康補助食品人気を裏付けています。

今回ご依頼いただいたのは、自然豊かな熊本県南阿蘇村で最先端のヨーロッパ式農業技術を取り入れ、 安心・安全な野菜を栽培されている、阿蘇健康農園様。商品は、霊芝(レイシ)と山伏茸(ヤマブシタケ)を用いた「コーヒー」と「のど飴」です。想定ターゲットは「熟練消費者」である、50代以上のプレ・シニアとアクティブ・シニア層。開発キーワードは「上質」です。この世代の男女は、年齢の高まりから健康に関心が高く、消費意欲が旺盛な、かつての好景気を知る最後の世代。消費に対してポジティブな価値観があり、商品を「見る目」が厳しいのも特徴です。

こうした想定ターゲットの嗜好性、そして近年のトレンドを鑑み、上質感と簡易性(日常生活への取り入れやすさ)を両立させるため、素材からイメージされる「健康」側に寄せるのではなく「感性嗜好品(=コーヒー)」と「高級スイーツ(=のど飴)」と考え、ここに機能(=健康増進効果)を付与した「高付加価値商品」と位置づけ、パッケージングをおこないました。パッケージ構造は、組み立て作業を簡素化できる、蓋と身箱が一体となったオールインワンタイプ。さらに、本体と仕切り部分を一体化することで、煩雑になりがちな在庫管理を容易にしました。この構造は、用紙使用量が少ないこともポイントです。霊芝と山伏茸、そして黒糖と生姜。使用素材と呼応させたキーカラー。さらに、空間を贅沢に活かしたレイアウトで高級感を演出。それぞれの商品を詰め合わせた「ギフトパッケージ」も準備し、プレ・シニアとアクティブ・シニアを揺さぶる、まさしく「ハイエンド・パッケージ」は誕生しました。

 


阿蘇健康農園様のサイトはこちら。

aso.farm


テクスチャーとは、ある素材の視覚的な色や明るさ、触覚的な強弱感や効果のこと。中でも大理石や御影石などの「石材」は「高級感」の演出に最適で、建築分野では、門扉の柱や玄関ホールなど「誰もが最初に目にする場所」に多用されます。パッケージにおいても「顔」となるフェイス面に「石」のテクスチャーを用いることで、対象品が「高品質」であることを伝えます。


ギフトにおける「パッケージをできるだけ大きくしたい!」というご要望、実は意外に多いオーダーです。見たとき、手に持ったとき「それなりのサイズ感」があることは、受け取った方の「期待値」を高める引き金になります。ジャストサイズが前提となる「輸送・郵送」を主軸とした考え方とは異なり、中身のバランスをみながら「詰め方・仕切り・額縁」などを駆使して「ボリューム感」を出していきます。

 

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