2020 January Issue 105


一年の始まりである正月は「初詣/雑煮/着物」といった日本文化に触れ合うシーンが多く、これまで日本文化に触れ合う機会の少なかった若年層ほど、新たな魅力として気づき、注目しています。世界的にみても、ユネスコにおいて「富士山」が文化遺産に「和食」が無形文化遺産に登録され、日本固有のしきたりや独自性が世界レベルの「文化」として認識されることが増えてきました。少し前まで「一風変わった」と評されていた日本文化の土壌を“ガラパゴス”とたとえるなら、その独自性は「強み」の裏返しでもあります。インバウンド需要において、近隣のアジア圏からの観光客が集中するのも、日本発のプロダクトやサービスに独自性を見出しているからに他なりません。特に、日本の地理的特性が生む「季節=四季」の影響は大きく、欧州とも、他のアジア諸国とも異なる、類まれな考え方と品々を生み出しました。

中でも、日本の民族衣装「着物」をはじめとする衣類文化は、四季折々の気候に合わせて「色彩・模様・組み合わせ」が変化し、日本独自の表現へと発展してきました。しかし、こうした高い独自性とは裏腹に「和装」シーンが減少していけば、着物文化との接点にも恵まれなくなってしまいます。今回、ご相談をいただいたのは、古都京都において「日本文化」を独自の視点で再編集し、さまざまなプロダクトを生み出し続けているアンドウ様。ご依頼は、薄衣を用いた伝統工芸「ツマミ細工」をリファインした、新たな商品ブランドの形成と、専用の商品パッケージングです。

まず、検討したのはブランドのシンボル、ロゴマークです。ブランド名の「Chimi Chimi」は、人の手で「つまんで」作るツマミ細工の「連なり=リズム」をイメージしており、想定ターゲットは若年層の女性です。すなわち、伝統的なツマミ細工をいかに「現代的に」昇華させられるかがポイント。そこで、和装だけではなく、洋装にも似合うアクセサリーブランドとして「ツマミ細工」をイメージしたグラフィックと欧文を組み合わせました。さらに、商品そのものがカラフルなアクセサリーであることから、クリア(透明)ケースを用いて商品自体を「見せる」パッケージとして仕上げ「ツマミ細工」をイメージしたキービジュアルを加えました。この他、ディスプレイ効果を高めた「円弧型」のフォルム・最小限の構成要素の商品固定台紙など、商品が最大限に引き立つ工夫を加え、現代的な感覚でツマミ細工を再構築した「Chimi Chimi」ブランド、そして、特別仕立ての「魅せる」パッケージが完成しました。

 


アンドウ様のサイトはこちら。

ando-kyo.co.jp


商品自体が華やかであったり、商品の構造(フォルム)そのものを見せたいとき、検討されるのはパッケージ自体を「透明」に仕上げる方法です。何もかもが見えてしまうため、仕上げはもちろん、使用する色彩には注意が必要です。今回の特集では、パッケージ側は完全な「裏方」に徹するため、キービジュアルはホワイト、商品の固定台紙もグレー(無彩色)に仕上げています。


パッケージを制作する上で、対象サイズに合わせることは必須のタスクですが、商品バリエーションが多岐にわたる場合、パッケージが商品と同じだけ発生してしまうと、在庫管理や充填作業が煩雑となってしまうことがあります。そうした場合に有効なのが「グルーピング」。サイズや形、重量など、何らかの共通項を見出し、数種のサイズにパッケージを振り分けることで、商品管理上の負担を軽減します。

 

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