2019 November Issue 103


季節が食欲の秋を迎えると、全国各地で開催される、任意の地域の品々が一堂に会した「物産展」の頻度は高まるばかり。普段行けない遠方や人気地域の物産展ともなれば、爆発的な集客力を誇ります。これらの物産展を支えているのは、地域ごとの多様性。特に、一次産業と呼ばれる「農水畜産物」においては、対象エリアだけの特色、すなわち「個性」がいかんなく発揮されます。これらの品々の発信力は強力で、かつてのモータリゼーションの発展に伴う「国内観光」の黎明期にはじまり、その後の各種メディアによる広告宣伝も相まって、遠く離れた場所の品であっても、対象地域を代表する「特産」として広く認知されました。そして、ローカルならではの「素材の良さ」を活かし、既に知られているという認知度を利用した数々の「二次加工品」が生み出され、地域の魅力を詰め込んだ多くの逸品が誕生しました。

こうして日本各地に誕生した「ご当地」商品。地域の魅力、豊かさの証明ともいえる、そのバリエーションは世界屈指を誇ります。しかし、長年愛され続けた商品にも、いつかは「リニューアル」のタイミングが訪れます。今回ご紹介する商品も、そんなご当地商品のひとつ。福岡県筑後市の菓子製造メーカー、江口製菓さまの代表商品「九州銘菓 八女茶(やめちゃ)もなか」と一連のシリーズは、誕生以来のロングセラー。中でも定番の「八女茶もなか」は、最上級にランク付けされる「伝統本玉露」の生産日本一の茶所、福岡の「八女茶」をもちいた「玉露茶葉入り」の逸品です。

長期にわたって販売された商品には、さまざまな「シリーズ/バリエーション」が開発されることが多く、パッケージデザインにおいても、開発時期の世相やトレンドを反映し、オリジナル商品から大きくかけ離れた商品が誕生してしまうことが、ままあります。こうなってしまうと、商品シリーズの違いやコンセプトの違いが不鮮明となり、ファンを醸成するどころか、何の共感も得られないまま「別の商品」として認識されてしまう危険すらあります。パッケージ開発において、商品シリーズごとのイメージを「慎重に」整えていくのはこのためで、購入を検討している生活者に「間違いのない=安心できる」商品であることを知らせながら、同時に「情緒的価値」を提供しています。築き上げた「ブランド・アイデンティティ」は守りながら、長年愛用してきた世代から新規ファンの取り込みを狙う活動こそ、ブランドリニューアル。時代に合わせて変化する「ロングセラー・パッケージ」のあり方です。

 


江口製菓様のサイトはこちら。

www.eguchiseika.co.jp 


フォレストグリーン、ダークネイビー、ワインレッド、チェスナットブラウンなど、その名の通り「秋」をイメージさせる濃色系の色彩で、熟した果実のような暗めの色調で「芳醇で豪華な」印象を与えられる色彩の一群を指します。特集では、商品フレーバーに合わせてオータム系のカラーグループからパッケージの基準色を設定、素材の上質さと豪華さを表現しています。


商品を購入してもらうためのツール、販促POP。しかし、メーカー側で準備したPOPも、人手が不足しがちな販売店舗側での作業が増えてしまうと、取り付けてもらえなかったり、プライスカードと重なってしまったりして、せっかくの販促ツールが機能しないことも少なくありません。そこで、近年増加しているのが、パッケージと融合したPOP機構。販売先の「店頭オペレーション」にまで配慮した工夫が求められているのです。

 

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