2019 May Issue 097


地域のガイド役「ゆるキャラ」や「ご当地グルメ」ブームを皮切りに「ローカルを楽しもう!」という気分が高まっています。都心では、企業や地方自治体が運営するアンテナショップや百貨店での集客力のある「地域」に特化した物産展が盛況です。一方、全国で1,000箇所を超える「道の駅」や、デパ地下さながらに充実した店舗が増加している高速道路「サービスエリア」など、地域そのものの活性化に伴って、地方在住の人々にとっても「ローカル」を楽しみやすい環境が整備されてきました。こうした交通・施設による物理的な発展とインターネットを介した情報の拡散は、国内各地の「再発見」ともいえる消費行動を促し、予算・人材確保の問題から「宣伝」が難しかった、一次産業従事者や地域密着型の小規模販売店に、光明をもたらしたといえます。求められているのは「ならでは」感。その地域にしかない、オリジナリティです。

今回のストーリーは、長崎県西海市で地域密着型の小売業を営む、スーパーウエスト様。近年は、西海市特産の「南高梅・らっきょ(らっきょう)・塩」を用いた漬物類の製造に力を入れています。もともと「自家消費」を目的とした「地産地消」型の商品でしたが、昨今の注目度の高まりから「地域特産品」としての販売拡大を検討されていました。こうした特産品開発の現場で課題となるのが「わざわざ」出かけなければ入手できない販売、商品の品種違いはもちろん、将来的な「商品バリエーション」対策、小規模運営だからこその「限られた数(製造ロット)」への対応です。

まずは、販売対策。自社店舗にとどまらず、道の駅や高速道路サービスエリア等にも販路を伸ばせば、商品の「地域らしさ」はキープしながら販売機会を増加させることができます。さらに、パッケージ製作上「同一木型のデザイン違い」のような、コストメリットに配慮した対応には、デジタル印刷機による「多品種印刷」が有効に働きます。そして、欠かせないのは「お土産品らしさ」の表現。できたての商品を詰め込んだような「手提げ袋型パッケージ」で「手土産=スーベニール」感を高めれば、特産品らしさは、満点です。こうして「らしさ」に溢れた「スーベニールパッケージ」が完成。次回のリピート時には、製造ロットの拡大も想定されています。ローカルの魅力が拡大するほど「独自性」への期待は膨らみます。地域に「根ざした」商品を、販売のための「売り先」を確保し、特産品「ならでは」の姿で販売する…。ひとつひとつの「当たり前」を着実に実行すること。それは、商品の「基礎体力」を高めることに繋がっていくのです。

 


スーパーウエスト様のサイトはこちら。

https://www.shokokai.or.jp/42/423101S0033/index.htm 


企業や商品を象徴する色彩は「ブランド・カラー」と呼ばれ、シリーズ品の展開時においても、イメージの基軸として重要な要素となります。しかし、お土産品のように「短時間で商品特性(味や素材)を伝える」場合、意図的に存在を抑えることがあります。特集のパッケージでは、あえてシンボルマークを「控えめ」に表示し、購入基準となる商品特性を際立たせています。


パッケージ構造設計の基本は「中身にあわせる」こと。まず、中身の「カタチ」をベースにパッケージの「容積」を決め、次に中身の「重量」にあわせて、強度を満たす「構造」と「材質」を設計していきます。特集のように、コンパクトでも重量のある中身の場合、胴体部の糊付け箇所や底面のロック部分を拡大し、建築の「基礎工事」さながらに、限られた容積の中で強度を高めていくのです。

 

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