2018 December Issue 092


生活者は買物の際、常に「比較」を行ないます。たとえば、店頭に陳列されている他商品との比較、あるいは、これまでに購入した同系統の商品(過去価格)との比較で、気になった商品が「お得」かどうかを検証します。これはWeb販売でも同様で、公開されている文字・画像情報を相対的に検討し「コストパフォーマンスが高い」と判断すれば、購入に至ります。これは、現代のように、モノや情報が溢れかえる中では、よほど独自性の高い商品・サービスでなければ、対象品の「スペックの高さ=きっと良い商品」を判断指標とした購入は起きにくい、という証。特に、購入したことのない商品を選ぶ場合「価格(特売かどうか/他より安いか)」はもちろん「見た目=パッケージ」を判断基準とする他なく、こうした視覚情報を「手がかり」として購入を判断しており「商品パッケージ」の影響は無視できない状況にあるのです。

こうした販売の現場で「振り向かせる」ための仕掛けを求められていたのが、九州北部を中心に、牛乳や乳製品を販売されている九州乳業様。ご検討されていた商品は、冷製菓子の定番「プリン」です。誰もが知るベーシックなお菓子なだけに、競合商品がひしめく中での販売が想定されました。どこにでもある「普通の」プリンを販売しても、生活者に注目させることはできません。必要なのは、思わず購入したくなる価格以上の上質感。たとえば、ラグジュアリーホテルの「お持ち帰りスイーツ」のような「特別な印象」を与えることで「これが欲しい」という気持ちを高めていく仕掛けです。

高級・上質感を感じるデザインに仕上げるには、大きなポイントがあります。それは「やせ我慢」。商品の特長や良さを雄弁に語り尽くすのではなく、見た目で「感じさせる」こと。掲出情報を絞り「エッセンスのみ」を抽出し「語りすぎない」ことで、品質の高さを表現するテクニックで、いわゆるハイブランドのデザインには、分野を問わずこうした工夫が詰まっています。今回のパッケージ制作で狙ったのは、まさにこの領域。シンプルな色彩構成、繊細な飾り罫、そして「三ツ星」の名から想像される上質感、さらに、大量生産(自動充填)に対応できる、シンプルなパッケージ構造。選び抜いた要素のひとつひとつが機能し、最小の要素で最大の効果を狙った、まさに「Less is more(より少ないことは、より豊かなこと)」なパッケージが誕生しました。期待をもって迎えた、2018年春。リリースされた「三ツ星プリン」は、当初の売上予測を大きく上回り、2倍・3倍という驚異的な売れ行きを記録。マーケットで大きな存在感を示すことに成功したのです。

 


九州乳業様のサイトはこちら。

www.kyusyu-nyugyo.co.jp 


黄と赤の中間色で、熟した「橙」の果皮に由来します。橙は冬になっても落果しにくく、翌年の夏まで残ることがあります。ひとつの木に新旧の実がついている様子から「代々=橙」とよばれ「何代も栄える」縁起の良さや「長く強い命」の象徴として、正月飾りに用いられます。特集では、橙と漆黒という主張の強い反対色をキーカラーに、店頭やWebでしっかりと目立ち、双方が引き立てあうことを目指しています。


特集のパッケージは、スリーブ構造に商品の「脱落防止機能」を付与した「ロック式スリーブ」構造。商品に「帯状のパッケージ」をフィットさせたシンプルな設計です。商品自体にシール貼りやシュリンク包装が不要なので、製造メーカー側での商品「自動充填」に対応します。このため、ロット数の大きな商品には最適で、ここに告知効果(=デザイン)が加わることで、完成されたパッケージへと昇華できます。

 

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