2018 October Issue 090


まさに今、花盛りといってよいインターネット通販。自宅にいながら、あるいはスマホで、簡単に買い物ができるインターネット通販は、またたく間に市場を席巻。これまで「売る」ためには「店舗」を構えることが前提だった常識を覆し、自社サイトはもちろん、Web上に展開したショッピングモールの利用等、小規模企業でも参入障壁が低かったこともあり、あらゆる品が揃う総合市場が出現しました。しかし、ここにきてインターネット通販の「肝」ともいえる、輸送コストの上昇が表面化。燃料費の高騰、ドライバーをはじめとする労働力不足の深刻化等、解決すべき課題は大きく、成長市場を足踏みさせる要因になりかねず、上昇したコストを商品価格に上乗せできれば簡単ですが「顧客離れ」を誘発するような安易な価格転嫁はベストな策とはいえません。そこで最近注目を集めているのが、新たな物流システムを見据えた新たな「輸送パッケージ」の開発です。

今回、ご相談いただいたのは、医薬品・医薬部外品・化粧品・健康食品の研究開発・受託製造を手がける東洋新薬様。極めて高い研究・開発・技術力で生み出した品々をグループ会社でオリジナル化粧品「フォーマルクライン」として展開されています。ご要望は、物流コストを抑えるための「郵便受に投函」される宅配システムを活かした「フォーマルクライン:7日間集中ケアセット」のパッケージ開発。ユーザーニーズにきめ細かく対応するため、将来的なセット変更にもフレキシブルに対応できるパッケージをお望みでした。

まず、前提として商品発送時の「ポスト投函」を可能にするコンパクトで丈夫な構造を実現する必要があります。もちろん、コストパフォーマンスの高さは必須要件。さらに、積み替え可能で組み立てやすい「仕切り」を用意する必要があります。その上で、各商品が輸送時に脱落することを防止しなければ、化粧品ブランドとしての「美観」を保つことはできません。機能性と審美性、このほか数々のテクニカルな課題に向き合いながら、幾度にも及んだ輸送テストと構造補正を繰り返し、2017年9月「フォーマルクライン:7日間集中ケアセット」はリリースされ、当初の狙い通り物流コストを圧縮。幾度もリピートをいただけるパッケージへと成長を遂げています。

そして2018年、さらなる驚きが。商品保護はもちろん、ブランド「らしさ」に溢れたパッケージは、国内の包装分野の雄を競う「2018日本パッケージングコンテスト」において「輸送包装部門賞」を受賞。課題に対して真摯に、誠実に向きあい、パッケージの基本要件「守る・運ぶ・伝える」を最大限に高め、得ることができた評価は、お客様とサガシキの誇らしい勲章です。


東洋新薬様のサイトはこちら。

www.toyoshinyaku.co.jp 


やわらかなグラデーション、芽吹き始めた薔薇のような、透き通ったピンク。新しい予感を感じさせるキーカラーは、どこまでも正統、そして繊細な色調で、パッケージの外装を華やかに演出しています。涼やかな銀箔(ロゴ)と組み合わせることで、華やかで上品な印象は際立ち、手に取れば、新しい何かがはじまる予感に包まれます。この初々しく軽やかなパッケージは、フォーマルクラインブランドを雄弁に語りかけているのです。


N式(TN式)と呼ばれる構造は、ワンピース(ひとつのパーツ)で組み上がるパッケージです。展開サイズが小さく納まるので用紙効率に優れ、側壁部に額縁を設ければ高級感が増し、ギフトパッケージとしても利用できます。さらに、使用直前に組み立てることを前提に「平らな状態」にできるので、保管場所も少なくできます。組み立て容易性とコストパフォーマンスを両立し、汎用性を考えたとき必ず候補に上がる、優れた構造のひとつです。

 

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