2018 May Issue 085


実は、日本は世界でも群を抜いた老舗企業大国。創業100年を超える老舗企業の数は、数万社にのぼります。長い間ビジネスを続ければ、その歴史の長さの分だけ、商品ラインアップは豊かになりますが、その数が多ければ、特定の商品シリーズに注力、あるいは、商品構成の変更等、あらためて再構築をおこなうには、大変な時間と手間を要することになります。実際の需要はもちろん、時代や世の中のムードに合わせた「瑞々しい」商品ラインアップに再構築することで新陳代謝を図り、今の時代の空気を纏った「常に新しい状態」を維持することができます。

今回、ご相談をいただいたのは、創業60年を迎えた友田商会様。ご相談は、パッケージ開発ではなく「商品開発」そのものです。友田商会様は、長年にわたって「シャボン玉」関連商品を開発・販売してきましたが、これまでのターゲットだけではなく、より多くの購買層を獲得するため、また、社内に企画開発ノウハウを蓄積していくためのパートナーとして、ロングラン商品「はじめてのシャボン玉」を共同開発したサガシキに、ご相談をもちかけられたのです。

まずおこなったのは、現状の商品ラインアップを俯瞰した上で「開発すべき領域」を探ること。既に「ロングラン商品=定番」を持っている企業だからこそ「主力以外のターゲット」を狙える、マーケットやユーザーを刺激するような、特徴的な品々を複数「担保」しておくことが重要です。今回の開発品は「女の子専用商品」そして「大人も遊べる商品」の2種。しかも、中身のシャボン液に大きな変化はありません。求められたのは、パッケージの「個性」。このため、ターゲットの嗜好性に合わせて、デザインの方向性を絞り込むことで、個性的なパッケージングを目指しました。

それぞれの商品のリリースタイミングは、開発から1年を迎えた2018年1月。新年度向けのオリジナル商品として発売されました。いずれの商品も「これまでの玩具イメージを超えた雰囲気を持っている」と、お客様の評価は上々です。

どんなに長く愛された商品であっても、一度コモディティ化(一般化)してしまえば、かつての輝きを失ってしまいます。しかし、生活者が生活を続ける限り、モノを買わなくなることはありません。大切なのは、商品がベーシックであればあるほど、購入時の期待を高め「よくある商品」と思わせる要素を払拭していくこと。そして、自社商品による「食い合い」を防ぎながら、厚みのある商品層を構築し、その後の企業運営を強固にできる商品、つまりブランド力です。こうした開発には、ターゲットはどんな人なのか、何を好むのか…、商品企画段階の分析とねらいが、極めて重要になるのです。


「シャボン玉」の友田商会様のサイトはこちら。

www.tomoda.ne.jp 


萌黄色は、春先に萌え出る若葉のような冴えた黄緑色。平安時代から用いられる「若さ」を象徴する色名で、新緑の若木の色ということから「萌木」とも。今回のパッケージでは「シャボン玉実験室」のキャッチコピーや「プリンセスシャボン玉」の背景色の一部に用いています。暗色や対比色に浮かび上がる萌黄色は、赤・青・黄といった基準色にはない「瑞々しさ」と「新しさ」を連想させることができるのです。


長い期間愛され続ける「定番品」といえど、デザイン面や機能面でのブラッシュアップは有効に働きます。たとえば、開封方法。今回のパッケージでは、開封しやすいようガイドとなるミシン目を設けた「Easy Open」パッケージを採用。開けやすい、ということは、それだけ安全(ケガをしない)で、早く商品との「出会い」を楽しめるのです。

 

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