2018 March Issue 083

豊かな素材と独自の歴史をミックスし、シンボルとなる「キャラクター」を活かしたPRなど、ローカルでの「ご当地感」を演出した商品開発と、開発された商品が注目されています。成否のポイントは、誰もが納得できる「理由」を考え抜き、商品に反映することができたかどうか。新たに誕生した商品は「購入する理由」、つまり「購入する価値」があるかどうかを、推し量られます。商品は、誕生した瞬間から、生き残るチカラ、即ち「商品力」を問われるのです。

パッケージ開発のはじまりは、サガシキホームページへのお問い合わせから。鹿児島県伊佐市の老舗菓子業、新富大生堂様。ご相談いただいたのは、伊佐市を代表する焼酎「黒伊佐錦」を使用したスペシャルスィーツのための、パッケージ開発。黒伊佐錦のブランドを活かし、焼酎(黒伊佐錦)と焼酎スィーツの相乗効果によって、地域活性化に繋がる商品開発をお望みでした。お話をお聞きして、新開発、また初のコラボ品であることを踏まえ、使用素材(原材料&表記情報)の改訂に柔軟に対応できる、版のいらない「デジタル印刷」による製造を前提として、パッケージ開発をスタートしました。開発商品は、ふんわりした「パウンドケーキ」と別添えで味を調整できる「レモンピールソース」が特徴。このため、パッケージ形状は、躯体としてのしっかりした堅牢な構造であることが大切。ご提案の中で、組み立てが容易で、糊付けのない(製造コストに配慮)1ピースの一体型が選ばれ、次はグラフィックデザイン制作へ。

 

 

 

 

まずは、商品のロゴマークとキービジュアルの検討です。議論となったのは、焼酎ブランド「黒伊佐錦」をポイントにするのか、スィーツを購入する可能性の高い「女性」にフォーカスを合わせるのか。この商品開発は「焼酎と焼酎スィーツの相乗効果によって、地域活性化に繋がること」が目的です。即ち、開発されたスィーツが「焼酎」の拡販に繋がらねばならず、新しい顧客開拓がミッション。となれば、答えはひとつです。商品ネーミングに、スィーツらしいイタリア語が使用されていたことから、スィーツを購入する可能性の高い「女性」を意識して、スマートで味のある書体と素材である「レモンのシルエット」、そして、可愛いらしさの王道「ポルカドット(大きめの水玉)柄」を組み合わせて、新富大生堂様がイメージされた「大人カワイイ」デザインに仕上げました。

商品を確実に守り・運ぶパッケージ構造、商品開発意図と想定ターゲットに狙いを絞ったデザイン、開発に関わったすべての人の願いを込めた「黒伊佐リモーネ」は、2018年1月2日、新富大生堂様の初商いに合わせてリリースされました。

ブランドとしての成長を願い、開発の核となる「販売する目的」と「購入する理由=商品価値」について、パートナーであるクライアントと「同じ目線」で議論・開発することで、強くてまっすぐな「ブランドメッセンジャー」として、商品を送り出すことができる、とわたしたちは確信しています。


「黒伊佐リモーネ」の新富大生堂様のサイトはこちら。

shintomi-taiseido.com


春や若さをイメージさせる、菜の花のように明るく鮮やかな黄色のこと。明度(明るさの度合い)の高い黄色と、明度の低い黒の組み合わせは誘目性の高い配色ですが、反面、対比効果も強く、強烈な印象を与えることになります。このため、背景色に白を用いたり、水玉や円弧など、ソフトな形と組み合わせて、見た目の印象を中和させることで、パッケージにも応用できる「愛らしい」配色になるのです。


この商品は、どんなもの(味)なのか、上質なものなのか、いつまで使える(食べられる)のか、どんな素材が使われているのか、誰が作っているのか…。これらはすべて、パッケージから読み取れる情報です。知らせたい内容を正しく伝えるには、掲載内容を精査し、計画・設計されていることが欠かせません。消費者とコミュニケーションを図る「ブランドメッセンジャー」。それがパッケージの役割です。

 

sagashiki Open Your Experience