「スーパーニッカ」アソートボックス

2017年10月号 THE PACKAGING STORY #78

来日された海外の方々が日本に感嘆し、海外へ赴く日本人の方々が誇れる、これが、日本の技とストーリー、そして驚きが結集したパッケージ設計です。

「インバウンド需要はおそらく、より日本らしい、より希少性のある商品でなければ、購入の意思を示してもらえなくなると考えています。インバウンド需要は次のステップに向かうと予測しています。」
アサヒビール様の新商品の説明会に、私たちサガシキが参席したのは、2016年春のことでした。アサヒビール様は、インバウンド消費のその先を見越して、「ニッカウヰスキー スーパーニッカ」を商材に、“つくり”の見えない部分に日本らしさ、繊細で心配りの行き届いた高い技が生きていることを目指した、世界市場でも闘えるギフト商品の開発を計画されていました。そして、私たちへのご依頼は、パッケージの要である「形状設計」。アサヒビール様のご希望に対して、アイディアと技術で、どう形にするか。アサヒビール様と私たちは、幾度も試作を繰り返し、改良に取り組んでいく毎日でした。

アサヒビール様のオーダーとサガシキの設計指向

  1. 日本のウィスキーを広く、世界に知らしめること。
    →日本感のある設計思想を起点とし、用紙色・装飾 要素に反映。
  2. スーパーニッカ物語で、日本と世界を結ぶこと。
    →「スーパーニッカ」誕生の背景、創業者・竹鶴政孝 と妻リタの物語を英文で表記。
  3. 見栄えがよく、持ち運びのいいコンパクト設計。 その上で、開封時のサプライズを演出すること。
    →貼箱に見えて、実は「紙器」。折り紙や着物のよう に折りによる立体化技術で日本の叡智を表現。
  4. 世界市場を狙うにふさわしい特別感があること。
    →「守る・運ぶ・伝える」の三位一体を、極めて高い 次元で実現。

こうして、ついに2017年1月、日本の紙器技術の粋を結集した「スーパーニッカ」アソートボックスが完成。免税店での発売がスタートしたのです。
社会情勢の変化や企業戦略によって、パッケージ開発には、常に「その先」があります。パッケージ開発も現状に止まってはいけない。私たちサガシキは、いつも「その先」を見据えて、企画力と技術力の研鑽を重ねていかねばならないと考えています。

免税店での陳列時、持ち運び時を配慮した「コンパクト設計」。 さらに開封時、二重の驚きを味わえる「スリーブ&身箱構造」。

日本の精緻な「嵌合(かんごう)精度」が仕上げを美しく、強く。

「観音型開口タイプ」で、内包したウィスキーに登場感を。

①ふたつのグラスを確実に固定する「脱落防止機構」。②蓋の開閉をスムーズに、ヒンジ内部壁が可動する「二重壁構造」。③仕切り部は、グラス形状に沿わせてグラスの安定性を向上。このほか、作業性、環境面、コストへ配慮。

NEWS

発売して数か月後、国内の包装技術の雄を競う「日本パッケージングコンテスト(2017年)」にて、「スーパーニッカアソートボックス」が、最上位カテゴリーであるジャパンスター部門「公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会賞」を受賞しました。日本を背負い、世界市場で闘う商品にふさわしい受賞に、私たちサガシキが少しでも貢献できたことは、大きな喜びです。