「IMODA」ブランディング・パッケージ

2017年9月号 THE PACKAGING STORY #77

ネーミングのインパクト、スイーツショップを思わせるモダン・グラフィック。
パッケージを開けるワクワクまでもうれしい、絶妙のスイートポテトです。

先日、あるクライアント様のもとへ打ち合わせにお伺いした際、ご担当者の方から「ギフトはパッケージですよ。コモディティ時代に恐ろしいほど差がつく商品なんか、そうは滅多にない。だから、品質に加えて、どんな顧客価値を盛るか。そのひとつがパッケージだと考えています。店頭で目について、かつ贈られたひとがワクワクして開けたくなる顧客価値のあるパッケージを期待しています。」とお聞きしました。「その通りです。が…これからパッケージを開発していく私たちにとって、プレッシャーですね」と苦笑い混じりにお答えしたというエピソードをお伝えして、今号のパッケージング・ストーリーを始めたいと思います。

今回の主役、小野瀬水産様から私たちサガシキにご連絡をいただいたのは、2017年4月のことでした。小野瀬水産様は、生産から開発・流通・販売、さらに飲食店や環境事業までも展開されており、今回、茨城県の名産・さつまいもを使ったスイートポテト商品が「茨城おみやげ大賞」で金賞を受賞したことで、全国販売を計画されているタイミングでした。私たちへのご依頼は、パッケージ開発だけでなく、ネーミング開発やブランド強化策まで及ぶもの。それも、全国展開にふさわしいブランディングだったのです。
私たちは、まず商品の特長を整理し、パッケージ開発のポイントを整理しました。

【パッケージ開発のポイント】

  1. 贈答用としてふさわしいこと。
    →開封構造に工夫が必要。
  2. お土産用としてふさわしいこと。
    →アイキャッチとなるPOP要素を盛り込む。
  3. 地域性ではなく、現代性を持ち味にすること。
    →ネーミング、グラフィックで「スイーツ感」を。
  4. 商品の持ち味を活かしていること。
    →素材をイメージさせるトリコロールカラーで。

まず、パッケージデザイン開発にあたって、最初に手掛けたのはパッケージ構造でした。

通常、セットアップ効率に配慮し、パッケージの構造は蓋身型(図:左)や蓋身一体型(図:右)になりがちですが、今回の場合はギフト用としてのポジショニングに加えて、現代性・個性・好感度を求められます。

このため、パッケージ構造を天面中央に開口部(蓋)を設け、左右両側に蓋を開く「観音開き構造」とし、登場感のある演出を加えることにしました。さらに、開口部に貼り付ける「封緘シール」にも、ひと工夫を。一般に開封防止には小ぶりの透明シールを使用するところを、あえて大きく、アイキャッチ効果を兼ねたデザインシールとしました。また、ネーミング開発については、試食の際に「いもだ!」と言いたくなるほどの素材そのものの美味しさとそのインパクトをストレートにネーミング化し、アルファベット表記で「IMODA」に。さらに、さつまいも、スイートポテト、焼きいものイメージカラー(紅色・黄色・橙色)をトリコロール調に仕上げ、まるでスイーツショップのパッケージを思わせるデザインへ。ネーミングからグラフィックに至るまで、スイーツ感のあるモダンデザインで貫きました。

こうして、ギフト需要が高まる夏の行楽シーズンの7月、ついに「IMODA」が颯爽とマーケットデビューを果たしたのです。

競合商品も並ぶ販売の現場では、購入の動機づけを高めるために色彩やグラッフィックを駆使して存在感を主張。一方で、開封時のワクワク感を高めるために、構造への工夫を怠りません。私たちサガシキは素材、形状(構造)、色彩、グラフィック、そして、アイディア!…さまざまな要素を組み合わせ、クライアント様のご期待に応えるパッケージを開発していきます。プレッシャーに負けることなく。